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に問題点は見られない。ただ、日本人職員の一航・機士或はW/O(運航士四号又は五号職務)等への若干の負担増は避けられないのが現状である。
また、混乗近代化船においては、日本人船員及び外国人船員合わせて22名が定員として配乗されている上に、第二種近代化船もしくは第三種近代化船仕様の設備を有しており、保守整備に関してもまた安全運航への影響等についてもほとんど問題点は提起されていない。
特に、混乗近代化船第二種の船舶(超省力化船を除く)でパターンGの配乗体制を取る場合には、労使協議によりGPS及びチャートプロッターが設置され、安全運航に大いに寄与している。

 

(5)近代化要員の現状
外航海運の国際化が進み、自本人船員のみによる船舶運航が困難となりDPC,kS及びkW/O等部員の新規採用が行われなくなったことから、下記の「日本人船員と近代化要員」の表に示すとおり部員は漸減傾向にあり、’96年央の近代化部員数は’89年央の40%弱にまで減少している。再教育訓練機関における受講者数も’94年度以降ほとんどいないことからこれらkW/O、DPC、kS要員の不足は今後ますます深刻化していくものと思考される。
また、通信士についても、船社が海上通信技術者として採用することはなく’96年央のR系W/087名を維持することは困難で、近代化部員同様要員の不足が心配される。
一方W/Oについては、新規学卒者が運航士資格を備えていることから’89年央以降今日まで増加傾向にあり、危惧すべき状況にはないが商船大学、商船高専卒業者の就職志望が外航海運より陸上会社へ向いていること、厳しい経済状況から海運各社が採用を手控えていること等から、その増加割合が鈍化しているのが現状である。

 

日本人船員と近代化要員の推移

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注 日本人船員数は全日本海員組合国際汽船局調べによる各年央の外航2船団所属の在籍船員数である。

 

 

 

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